こんにちは。
GLNARS代表の小山です。
今日の東京・足立区はずっと雨。。。
今日は、ある利用者さんのお話です。
ブログの題名は、私の所へ通う脳出血後遺症の利用者さんが言った言葉を、そのままお借りしました。
実際にそのまま足首が内反して(下の図のような感じ)
捻挫するような足の着き方をするのかと言えば、そんなことはありません。
しかし、そんな「気」がするのです。
そんな「気」がするので、ちゃんと足をつくことを、その人自身が避けています。
なので、答えは簡単です。
そんな「気」がしなければいいんです。
私たちセラピストはよく、足で踏ん張れなくて捻挫しそうになる現象を、ただの筋力不足であるとか、バランス力の低下だと判断します。(しかも、その筋力低下やバランス力の低下を、超細かく分析して)
そう判断するセラピストが悪いわけではありません。
セラピストの「選択肢」というタンスの引き出しに、筋力とバランスしか入っていなければ自ずと答えはそうなります。
「もちろん麻痺側の筋力は低下しますよね??」
はい、それは、そうじゃないですかね。
表現の仕方は学問によってちょっと異なる点があるかとは思いますが、それはさておき。
じゃあ、筋力が向上したら歩けると思いますか?
例えば、あなたが超絶美人と結婚したい! と、思ったとして。
じゃあ超絶美人の集まる合コンへたくさん出向いたところで、
結婚できますか?
そんな、単純なことではありませんよね?
まずは話しかけてみて、住んでるところが近いとか、趣味が合うとか、実は彼氏がいるとか、
連絡先だって交換できた人とできなかった人いるだろうし、その先うまく付き合えたとして、またそこには恋人特有の問題も出たりして・・・
結婚するまでに加味すべき事情が、たくさんたくさんあります。
色々な場面、状況、経験、コミュニケーションを通した先に、ようやくゴール!!ってなるんじゃないでしょうか?(スピード婚はわかりませんがw)
ちょっと結婚だと題材が大きいと感じるかもしれませんが、
歩行だって、かなり題材が大きいです。
だって、四つ這いのハイハイから始まって、
一生懸命に伸びていく体幹や四肢を鍛えて、
ようやく掴まって立てるようになって、
自分の身体イメージの変化を脳にインプットしていきながら、上半身でバランスとりながらも二足歩行ができるようになっていく。
そして、応用として、登り道、下り道、雨道、山道、田んぼ道、砂利道、アスファルト、草むら・・・多様な接地角度、多様な接触面積、多様な接触素材を「経験」した先に、あなたの「歩行」が完成されたわけです。
決して筋肉を意識して、私たちの動作は完成してきたわけではありません。
あなたの「経験」を通して筋肉や骨格、考え方までも完成されていきます。
そしてそれは、文明や社会までも形成していきます。
生まれた時からずっと裸足で暮らす民族であれば、それ相応の足に。
家の中をずっと靴で生活する国であれば、それ相応の足に。
スニーカーではなくハイヒールばかり履く生活であれば、それ相応の足に。
あなたの「経験」によって、体はいくらでも変化しうるのです。
さてさて、
私は一つ、認知神経リハビリテーションというもので、「経験」を促すことがあります。
子供とは違って、たくさんの事を「経験」済みな大人たちには、
それを具体的な日常へ落とし込むよう、イメージしてもらったり言語化してもらったりしながら、今の身体と会話してもらいます。
大まかに言えば、足首が内反しそうってことは、地面との接触中に、より小指外側に実際乗っている?(もしくは乗っていると感じる)
また、足首の関節が内反しすぎていることがわかりにくい、水平性がわかりにくい、のでは?、というようなことが考えられます。
それを、こっちの方が安心して地面を踏めそうなんじゃないの?
って、「気」にさせただけ、です。
その「気」にさせるのに、今回は拇指球の圧や、接触面積を利用しました。
大体10分くらいで変化がみられた気がします。私も、相手も。